【実話】私が体験したファクタリング業界の最も「えげつない」取り立て現場

どうも、黒木だ。元ファクタリング会社の営業部長をしていた。

「最短即日!」「赤字でもOK!」…そんな甘い言葉に誘われてファクタリングに手を出し、地獄を見た経営者を、俺は嫌というほど見てきた。ファクタリングは魔法の杖じゃない。使い方を間違えれば、あんたの会社を食い潰す劇薬に他ならない。

今日は、俺がこの目で見てきた中で最も「えげつない」と感じた取り立ての現場について、包み隠さず話そうと思う。これは脅しじゃない。あんたが同じ轍を踏まないために、知っておくべき業界の不都合な真実だ。

私が目撃した、ファクタリング取り立ての地獄絵図

あれは、俺がまだ営業のトップを走っていた頃の話だ。ある建設会社の社長、Aさんが俺の顧客だった。真面目で、職人気質。ただ、少し人の良すぎるところがあった。

Aさんの会社は、元請けからの入金サイクルのせいで、常に資金繰りに窮していた。そこで俺たちは2社間ファクタリングを契約した。最初は順調だった。しかし、ある時、元請けの支払いが遅れ、Aさんはファクタリング会社への支払いが一日遅れてしまった。

その翌日から、地獄が始まった。

シーン1:鳴り止まない電話と、社長の憔悴しきった顔

「黒木さん、どうしたら…」

A社長から悲痛な電話がかかってきたのは、支払遅延から2日目の朝だった。声は震え、明らかに寝ていない様子だった。

  • 早朝6時から深夜0時まで、5分おきにかかってくる担当者の携帯からの電話
  • 会社の代表電話、社長個人の携帯、しまいには奥さんの携帯にまで
  • 「社会人としてどうなんですか?」「約束も守れないんですか?」という人格否定の言葉

これは、もはや督促ではない。精神的な拷問だ。A社長はみるみるうちに憔悴し、仕事も手につかない状態に陥ってしまった。

シーン2:「おたくの会社、危ないらしいですね?」取引先に流された”黒い噂”

電話攻撃だけでは終わらない。彼らは次に、A社長が最も恐れていた手に打って出た。

「おい、A!お前のところの売掛金、俺たちが買い取ってるんだからな!さっさと払わねえと、お前の取引先全部に連絡して、お前の会社の信用ガタ落ちさせてやるからな!」

これは「債権譲渡通知」の悪用だ。本来、2社間ファクタリングは取引先に知られずに資金調達できるのがメリットのはず。 しかし、悪質な業者はこれを逆手に取り、「支払いが遅れたら取引先にバラす」と脅しの材料に使う。

実際に、A社長の主要な取引先数社に「Aさんの会社は資金繰りが悪化して債権を売却している。支払い能力に疑問がある」といった内容の電話をかけ始めたのだ。長年かけて築き上げてきた信用が、たった数本の電話で崩れ去っていく。これほど残酷なことがあるだろうか。

シーン3:事務所に押しかけてきた”回収屋”の正体

最終的に、屈強な男2人がA社長の小さな事務所に現れた。ファクタリング会社の人間ではない。いわゆる”回収屋”だ。

「社長さんよぉ、金策に走る時間くらいあったろ?誠意見せてもらわねえとな」

大声で威圧し、デスクを叩き、A社長が他の取引先への支払いのために用意していた現金を持ち去ろうとした。これは完全に違法行為だ。 幸い、A社長が事前に相談していた弁護士がすぐに駆けつけ、警察を呼んだことで事なきを得たが、A社長の心は完全に折れてしまっていた。

なぜ「普通のファクタリング」が「地獄の取り立て」に変わるのか?

なぜ、こんなことがまかり通るのか?あんたは不思議に思うだろう。答えは、A社長が契約したのが「ファクタリングを装ったヤミ金」だったからだ。

ここだけの話だが、業界にはびこる悪質業者は、巧妙な手口で経営者を罠にはめる。あんたが騙されないために、そのカラクリを暴露しよう。

カラクリ1:「償還請求権」という名の罠

契約書をよく見てほしい。「償還請求権(しょうかんせいきゅうけん)」という文字はないか?

契約の種類償還請求権売掛先が倒産した場合のリスク法的な位置づけ
正規のファクタリング無し(ノンリコース)ファクタリング会社が負う債権売買
偽装ファクタリング有り(ウィズリコース)利用者が負う(返済義務あり)実質的な貸付(ヤミ金)

もし「償還請求権有り」の契約を結んでしまったら、それはもうファクタリングではない。売掛債権を担保にした「借金」だ。 そして、彼らは貸金業の登録をしていないため、法外な金利と、法律を無視した過酷な取り立てが横行することになる。

カラクリ2:契約書に隠された”地獄への片道切符”

悪質業者は、契約の段階で巧妙な罠を仕掛けてくる。俺が営業時代に見てきた、特に注意すべき契約書の文言を教えておこう。

  • 「債権譲渡禁止特約の否認」に関する不明確な記述
    • →万が一、売掛先との契約で債権譲渡が禁止されていた場合、それを理由に高額な違約金を請求される可能性がある。
  • 「債権譲渡登記」の留保
    • →支払いが少しでも遅れると、即座に債権譲渡登記を行い、取引先や金融機関に「この会社は債権を売却している」と公表するぞ、という脅しに使う。
  • 異常に高い「遅延損害金」や「違約金」の設定
    • →一日遅れただけで、元金が倍になるような法外なペナルティを課す。

契約書を渡され、「急いでいるんで」と署名を急かす営業マンがいたら、まず疑ってかかれ。そいつはあんたをカモとしか見ていない。

もし、あんたが悪質業者の罠にはまったら

万が一、すでに悪質な業者と契約してしまい、過酷な取り立てに遭っているなら、絶対に一人で抱え込むな。A社長のように、精神的に追い詰められてしまう前に、すぐに行動を起こすべきだ。

対処法1:すべてのやり取りを記録する

まず、冷静に証拠を集めることだ。これが後々、あんたを守る武器になる。

  • 電話の録音: 脅迫的な言動はすべて録音する。
  • メールやFAXの保存: 文面はすべて保管しておく。
  • 着信履歴のスクリーンショット: 異常な頻度の電話の証拠になる。
  • やり取りの時系列メモ: いつ、誰から、どんな内容の連絡があったかを詳細に記録する。

対処法2:専門家に相談する

証拠を集めたら、すぐに以下の窓口に相談してほしい。彼らはヤミ金問題のプロだ。

相談窓口特徴こんな時に相談
弁護士・司法書士法的な代理人として業者と交渉してくれる。取り立てを即時にストップさせられる可能性が高い。違法な取り立てを受けている。契約解除や過払い金請求をしたい。
警察(#9110)暴力や脅迫など、刑事事件に該当する行為があった場合に動いてくれる。事務所に押しかけられた。身の危険を感じる脅迫をされた。
金融庁 金融サービス利用者相談室貸金業法違反の疑いがある業者に関する情報提供や相談を受け付けている。契約した業者が無登録のヤミ金ではないか確認したい。
日本貸金業協会貸金業に関するトラブルの相談窓口。悪質業者の情報も集約している。契約内容が貸付にあたるのではないかと疑問に思った時。

決して、「支払いが遅れた自分が悪い」などと思い詰めるな。法律を無視した取り立ては、100%業者が悪い。

まとめ:ファクタリングは「劇薬」。知識という武器を持て

ファクタリングは、正しく使えば窮地を救う有効な資金調達手段だ。俺も営業として、多くの真面目な経営者の助けになってきた自負はある。

しかし、その裏側には、A社長のように経営者の弱みに付け込み、骨の髄までしゃぶり尽くそうとするハイエナのような連中が確実に存在している。

彼らの甘い言葉に騙されないでほしい。この記事で俺が暴露した手口は、氷山の一角に過ぎない。重要なのは、契約書にサインする前に、あんた自身が知識で武装することだ。

安易に「無料相談」に飛びつくな。まずは、あんたが今結ぼうとしている、あるいは結んでしまった契約書をもう一度、隅から隅まで読み返してみてくれ。 そこに「償還請求権」や不自然に高い違約金の文字はないか?

それが、あんたと会社を地獄から守るための、最初の、そして最も重要な一歩になるだろう。